ニュージーランド旅行記~その4~テカポのマウント・ジョンより【大地の呼吸】

~見たらきっと、旅したくなる!
ニュージーランドの旅の写真を動画にしてみました♪

見渡す限り荒地と山、そこにぽつんとある小さな集落と、その横に広がるミルキーブルーの湖、鳥たちと羊の声がする。

テカポ湖周辺の自然を満喫する日

この日は、南島から離れ、北島のオークランドへ飛ぶ日だ。そのため、まずは南島のクライストチャーチをバスで目指すことになる。

といっても、バスは午後の夕方に差し掛かる頃にホテルにやってくる。

それまでは、昨日見つけたテカポ湖のそばのベンチでのんびりしようか…?

朝までそんなことを考えていた、その日のタイムテーブルは以下。

07:20 起床&軽食
09:35 チェックアウト、荷物預け
09:40 テカポ湖畔散策
10:30 ハイキングコースへ
12:20 マウント・ジョンの頂付近のベンチ
13:35 湖南西で休息
15:40 テカポ ペッパーズブルーウォーターリゾート 発
19:40 クライストチャーチ空港着
21:00 CHC発 NZ578
22:40 AKL着
24:00 オークランド ホテルアモラ着
25:10 就寝

朝のルピナスの香りに包まれる湖畔

朝起きたとき、

テカポ湖辺りでのんびり散歩して、そのあとベンチに腰掛け、手帳にスケッチしながら過ごそう。

と、思った。

ホテルをチェックアウトして荷物を預けた後、太陽光線が長袖も上にパーカー着ていて日焼け止めを塗っていても痛いという晴れの中、ハナアブやクマンバチなどのハチ類、トンボや蝶が飛び交うルピナス畑で暫し散歩していた時も、そう思っていた。

朝のルピナスは強いマメ科の香りを放っていた。藤の香りを強力にした感じだ。

前日は湖の東の方へ行ったので、今度は西へ行くことにした。

水面に近づいてみると水色の粉で染めたように色が付いているようだった。

その色が幼い頃、水の色はこんな感じだと思って、絵を描くときに塗っていた色によく似ていた。

透明で澄み切った優し気なブルー。

この湖から引かれている水路も、湖の水の色と全く同じで濁っていたことがない。南島ではずっと、絵のように美しい水しか目にしなかった。

子うさぎが横切るハイキングコース

ハイキングコースをうさぎが数匹横切る。

小さな身体で目が大きく目立った。私の足先を横切ってこちらを振り返る。

耳は寝かしていて鼻をヒクヒクさせて、こちらを窺っていた。

そのすぐ近くの木陰には親うさぎと他の子うさぎが待っている。

私の後にも先にも人はいない。

余りに人が来ないから、障害物がないか確認する習慣がうさぎにないのかも知れない…。

うさぎたちと見つめ合うことしばし。…そのうちに彼らは木陰へ姿を消した。

それ以降の道の途中には、ローズヒップと、ポピーがあった。

ピンクにオレンジ。

そういえば、春なのに圧倒的に花の種類が少ないと気が付いた。

さらに先に行くと、湖のそばで泳ごうとしている若者がいた。

驚いた。

何故なら…湖の水は平均水温9度で、年中泳ぐのには適さないのだ。

その辺の湖畔のハイキングロードは、背の高いマツ科の木に覆われていて涼しかった。

マウント・ジョンから臨むNZの大地

クライストチャーチ行きのバスがホテルに到着するまで時間がたっぷりある。

マウント・ジョンの方へ行けるだけ行ってみるか…

と、ふと思い立ち、横道へ入った。

途端に道は、今までののどかで平坦な道と一転して、細かい赤い砂に覆われた硬い地面で常に登り坂という、突然の強制ギアチェンジコースになった。

山登りで立ち止まって休憩しながら登ったのはこれが初めてだ。

標高は1000メートルほどだ。山というほどの山ではない、と思う。

ようやく開けたところに出たと思ったら、最後は急な階段…。

登り切って後ろを振り返ると、全く何もない荒野が広がって、風景の端にはいきなり山が生えている。

山の小高いところに登るとベンチがあり先客がいた。その先では、山の崖の際で片足で立って両腕を広げてポーズをとり写真を撮ってもらっている人がいた。

その方向にはテカポ湖が広がっていて、その湖の南にテカポの村があるのが見えた。

ミルキーブルーの湖面には鏡のように空と雲が映り込んでいる。

遮るものは山しかない。

そこを降りて急な階段へ戻る間にベンチがあるのが目に入った。

そこで休憩しながら水を飲みつつ一服していると、小鳥のピチュピチュいう声と混じって、かなり近くで羊の鳴き声がする。辺りを見渡しても動物の姿は見えない。

何もない。辺りは人通りもなく、自然の中に私とこのベンチだけ。

目の前に広がる剥き出しの大地を、ぼんやり眺める。

心地よい涼しい風が吹き抜けていった。

その自然の情景に、魂が浄化されるというより、自身が同化していく。

大地の呼吸が聞こえてくる、そんな感覚だ。

次第に心の中が安らぎに満たされていくのを感じた。

特に美しい風景ではない、湖の周辺のほうが色彩豊かだ。

なのに、毎週末ここに来られたらいいのに、そう思った。

それは、見るという行為ではなく、同化だったからなのだろう。

Down, dwon, down…

︎帰路は下りのみだから、楽だろう。

そう思ったのは間違いだった。

まず、階段が降るときは傾斜がきつく前のめりになる。

Down, dwon, down…

なぜかAlice in Wonderlandのフレーズが頭に浮かぶ。

直ぐに右脚の膝が痛くなった…。

それでも、その程度だ、登りよりはずっと楽ではあった。

帰り道、登ってくる若者2人とすれ違った。

先頭を行く若者は、シャキシャキ歩きながら、快活に私へ声を掛けてきた。

“Holle!How are you?”

“I’m fine.”

“Good!”

少し離れて続くその相棒は、私の曽祖母のように腰を曲げ、虚ろな目で地面を見ながら(こちらを見ずに)私の方へ手をひらひら力無く振ってきた。

私も手を振り返した。

高校生くらいの子があの調子なら、私が疲れても仕方ない。

と思った。

山を降りたら、膝は元へ戻ったが、砂浜の近くのベンチの陰になっている部分で、休憩することに。

暑い…。

暫くしたら先程の若者たちが、村の中心地へ帰っている姿を見かけた。

マウント・ジョンの展望台には沢山の人が集まっていたが、私が行ったルートで登る人は殆ど見なかった。車で行くルートがあるのだろう。

スーパーに寄って飲み物をいくつか調達し、ホテルに戻って、フロントのそばのソファでバスを待つ。

クライストチャーチ空港へ向かう

暫くすると、クライストチャーチ行きのバスが到着。

そこからはほぼノンストップでの移動となった。

国道8号〜79号〜1号へ。

この1号は、北島の最北端まで続いている。

それを自動車で旅したことがある、とバスガイドさんは言っていた。

因みにクイーンズタウンを出てから、クライストチャーチの手前の街まで、信号機がない。

殆ど交差点なるものは存在しない上に、すれ違う車すらない交通状態に信号機なんて不要なのだろう。

クライストチャーチ空港に到着後、

入口が分からないな…

と思っていると、

一緒に行きましょう!

という3人組が現れた。

入口が見つかれば、後の手続きは簡単で、自動チェックイン&bag dropで完了。

その後はカフェで休憩した (NZのメレンゲベースのケーキは絶品!) 後に、セキュリティチェックを受けて、搭乗する。

小型飛行機のほうが、飛び立つ時の浮遊感というか衝撃がある。何度乗っても落ち着かない瞬間だ。

オークランドのホテルで思ったこと~ツイてる!

オークランドへ到着したときはすでに真っ暗。

ホテルアモラに着いて部屋へ行くと、またコンドミニアムで、広々とした一室とは別に寝室がついていた。

そういえば、宿泊先を手配してくれた担当の方が、

街の中心地のホテルが押さえられず、少し離れたところになりましたが、良い部屋を手配しました!

と言っていたが、とても快適で満足だ。

満足し過ぎてまた写真がない…。

私としては、今回は中心部から離れていようがあまり関係ない。

その部屋はエレベーターホールから離れているし、廊下で騒ぐ人がいなくて静かだった。

今回の旅は、いつもより特にツイていると感じた。

旅行会社が確保していたホテルがテカポ以外埋まっていたのにも関わらず、フリープランの範囲内で手配してくれたホテルはどこも私の願い通りだった。

願い通りとは言ったが、実はホテルの条件を全く先方には伝えていない。

どの旅行会社でもこの時期のニュージーランドの予約はいっぱいで、辛うじて空席があった今回はじめて利用する旅行会社に辿り着いたとき、

「NZに行けて泊まれるならどこでもいい。」

という気持ちになっていたからだ。

基本的に旅行先は、欧州が多かったが、今回の休暇は11月最終週から12月はじめにかけて。クリスマスシーズンには少し早く、そして寒い時期だ。寒がりの私には少し厳しい。

この時期に気候的に穏やかな場所は…と、考えたときに思い付いたのが南半球だった。

オーストラリアはすでに夏真っ盛りで少し暑すぎる…それならもう少し南に位置するニュージーランド…?

そのときの私のニュージーランドの知識は、

羊がたくさんいるのどかな場所!(実際、バスで移動中にたくさん見た)

程度のものだった。。

そんな感じで選んだ旅先だったから、ちょうどルピナスが咲く時期であることすら知らなかった。

ツイているといえば、今回の旅は不思議と、

「困った、さてどうしようか」

と思った瞬間に助けが現れるのだ。

次の日は、まさにそんな日だった。

☆☆☆

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