イタリア旅行記~その3〜ピサ・フィレンツェ【変わらないシンプルな色彩の美しさ】

フィレンツェ宿泊2日目は、晴れ。大雨の予報だったのが嘘のようだ。

この日は、午前中はピサへ、午後はフィレンツェに戻り、ピッティ宮のほうへ行く予定だ。

ピサへはオプショナルツアーで、バスの旅。

8時半前にアドゥア広場に集合し、そこから、1時間半かけてバスで、ピサへ

トスカーナの丘陵地帯、アペニン山脈、青い空を流れる雲…どんどん展開していく様はバスの中にいても、見る者を惹き付けて飽きさせない、この上なく美しい絵巻物だ。

ピサの洗礼堂の音楽

ピサに来たのは、再び、この音楽が聴きたかったから―

洗礼堂の音響は素晴らしい。

洗礼堂の案内係の人が、一音ずつ声を響かせる。

一音目、二音目、三音目……

ゆっくりと、残響が重なり合い、見事な和音になっていく。

洗礼堂全体が、鳴っている。

それは、1分ほどの美しく荘厳なミサ。

ピサの大聖堂の美と調和

ロマネスク様式の大聖堂。

同時期のビザンチンモザイク、イスラムの尖頭アーチ、ロンバルディア地方の少アーケード、古代ローマの列柱…

あちらこちらから、集めてきたものなのに、取って付けたような不釣り合いなものがない。

見事なバランスの美しさは、東西文化の調和を、そして、遠い昔のピサの繁栄を静かに伝えていた。

緑、白、オレンジ、青~ピサの色彩

ピサを後にする前に、振り返る。

地の緑、洗礼堂、大聖堂、斜塔の白とオレンジ。

そして、空の深い青。

目に飛び込んでくる、その色彩は、どれにも濁りがない。

この4色の作り出す情景に、離れ難さを感じて、ただ、立ち尽くす。

この色彩と文化の調和が生み出す芸術を見に、また、ここへ来てしまうのだろう。

ポンテ・ベッキオへの道

ピサから戻って、アルノ川沿いをのんびり散歩する。

水辺は好きだ。

写り込んだ空の青を眺めながら歩いていると、その穏やかな水面に、不思議と心静かになる。

穏やかな風に吹かれながら、ポンテ・ベッキオへ。

橋の上にある店を覗いてから、ピッティ宮殿へ向かおう。

ピッティ宮殿とパラティーナ美術館

ベッキオ橋を渡り、アルノ川の対岸へ。

グイッチャルディーニ通り沿いの店を覗きながら、そぞろ歩き。

程なく、ルネサンス様式の広大な建物が姿を表した。

パラティーナ美術館は、この宮殿の2階にある。

ボッティチェリ、サルト、ラファエロ、ティツィアーノ、ヴェロネーゼ、ティントレット、ミケランジェロ、リッピ、チーゴリ、ジェンティレスキ、バルトロメオ、ジョルジョーネ…

所狭しとイタリアの至宝が飾られていて、きっと、誰でも気に入った絵が見つかるはず。

この日は、やわらなか色彩と空気を纏う『小椅子の聖母』と官能美を象徴するような、たっぷりとした黄金の髪が見事な『聖マグダラのマリア』が印象的だった。

ジョットの塔からクーポラを眺める

前日の花の聖母堂からのフィレンツェの景色が素晴らしくて、もう一度見てみることに。

今度は、その隣りにあるジョットの塔へ登った。

石段は、400段近くある。前日のクーポラのほうが同じくらいの段数でも、登りやすいと感じた。

このジョットの塔からは、クーポラ入りのフィレンツェの風景が見られる。

この頃には、空には雲が広がり、バラ色の屋根の風景に味わい深い陰影を与えていた。